花粉症対策とリノール酸

花粉症対策とリノール酸

寒い冬が終わり、春の到来を待つ2?3月という時期は、雪解けや寒波の終焉を心待ちにしている人がとても多く、期待感溢れる時期といえます。 しかし、同時に憂鬱に感じる人も多いかと思います。 というのも、この時期は丁度スギ花粉が本格的に飛来し始める頃。 花粉症の人にはたまらない時期となってしまいます。

大体、2月にハンノキの花粉が飛び始め、3月にスギが本格的に飛散していきます。 そして4月に入るとヒノキやイチョウ、あるいはケヤキなどといった樹木の花粉が飛びだし、花粉症の人にとっては厳しい時期に突入していく事になるのです。 この時期はマスクをしている人が多くなりますね。 ただ、去年は花粉の飛ばない冬の時期でも、新型インフルエンザの流行もあって夏場からずっとマスク姿の歩行者が目立っていたので、一年中マスクをしているという人も多いかもしれません。

そんな中、花粉症対策に対するアプローチとそれに対しての関心度は年々過熱化しています。 特に近年では、食べ物に関する花粉症対策が顕著に見受けられます。 その中の一つに、リノール酸の摂取過多を問題視する声も増えているようです。 リノール酸に関してはまだ一般に普及していない事もあり、どのような物に含まれているのか、そもそもどんな栄養素なのかという疑問を持つ人が多いのではないでしょうか。 そこで、この花粉症とリノール酸についていくつか学んでいこうかと思います。 リノール酸は日常生活と密接した脂肪酸なので、花粉症の方はもちろん、そうでない方も覚えておいて損はありませんよ。

リノール酸とは

まず、リノール酸について解説していきましょう。 リノール酸とは、『Linoleic acid』という綴りの英語で表記される事もある必須脂肪酸の一つです。 必須脂肪酸というのは、体内において自然と合成される事がない為、体外からの摂取が必要とされている脂肪酸です。 つまり、食物によって摂取する必要がある栄養素というわけです。 また、リノール酸は複数の不飽和の炭素結合を持った『不飽和脂肪酸』の一つでもあります。

リノール酸は、なければないで困った事になる脂肪酸です。 というのも、リノール酸が体内にある事で、血中コレステロールを下げる役割を担ってくれるからです。 また、それ以外にも体内における必須成分と言われる『アラキドン酸』や『γ-リノレン酸』に変貌する為、体の内部の必須成分を摂取する為には必要な成分です。

と、ここまで見ると、リノール酸は体にいいもので、花粉症対策とは関わりがない、むしろ摂取しないといけないものではないか…と思われますよね。 実際、必要な成分ではあります。 問題視されているのは、過剰摂取なのです。 必要摂取量を超える摂取を行うと、マイナス面が働き、そこで花粉症対策の妨げとなってしまうのです。

どのような物でも、摂り過ぎると途端に駄目になってしまうものです。 例えば、ダイエットに良いとされる食品でも、食べ過ぎてしまえば結局太ります。 栄養素や必須成分に関しても同じ事がいえるのです。 必要なのは、しっかりと摂取量をコントロールする事です。

リノール酸の歴史

近年の花粉症対策の中で、花粉症の症状を悪化させる要因とされているリノール酸。 ただ、過剰摂取さえしなければ、むしろ必須成分なので、完全に体内から遮断する必要はありません。 花粉症対策は、いかにこのリノール酸をしっかり必要摂取量内に納めるかが重要になります。

さて、そんなリノール酸の歴史を見ていきましょう。

リノール酸が医学的、あるいは科学的に注目され始めたのは、1950年代です。 アメリカの研究者が、リノール酸について『血中コレステロール値を下げる効果がある』という発表を行い、実証され、それを受けて動脈硬化の治療や予防に使用されるようになりました。 しかしその後、過剰摂取をする事で弊害が生まれる事が発覚し、さらに熱に弱い事も判明。 150℃以上に加熱する事で人体に様々な悪影響を与える物質を発生させてしまうという研究結果が出た為、リノール酸は一躍、『悪役』となってしまいました。

そして現代。 リノール酸は花粉症対策において、槍玉にあげられることが多くなっています。 実際問題、リノール酸の過剰摂取が花粉症悪化の要因の一つとなっている事は事実ですが、リノール酸を摂取する事が悪である、という風潮になってきているのは、誤りといえます。

この誤りを正しい認識に変える為には、リノール酸の役割、そして過剰摂取がなぜ問題なのか、という点をしっかり把握する事が必要と言えるでしょう。 その為には、ひとつひとつ知識を蓄えていく事が最善でしょう。

リノール酸の過剰摂取が駄目な理由

リノール酸を摂取する事は、基本的には悪い事ではありません。 リノール酸は日常生活において食する物に多分に含まれているので、摂取しないというのは困難と思われます。 問題は、過剰に摂取する事によって発生する弊害です。 では、どのような弊害が発生するのでしょう。

リノール酸を摂取すると、血液中のコレステロール値が低下します。 ここまでは良いのですが、過剰摂取する事により善玉コレステロールまで低下してしまいます。 そうなると、善玉コレステロールの役割である体内の不必要なコレステロールの回収が行われなくなります。 そうなると大変で、コレステロールが溜まり、血管に沈着してしまい、動脈硬化の原因となってしまうのです。 また、肝臓の働きも悪くなります。 リノール酸の過剰摂取は、まずこの点においてマイナスとなります。

次に、花粉症対策になぜリノール酸の過剰摂取が影響するのかという点についてです。 リノール酸を過剰摂取すると、アトピーや喘息の促進を体内で行ってしまいます。 よって、アトピー、喘息を悪化させてしまう原因となってしまうのです。 それは、リノール酸に含まれる『ロイコトルエン』や『プロスタグランジンE2』を過剰摂取する事で起こる『炎症性を高める』事に起因します。 そして、これが花粉症対策の妨げになるのです。

花粉症は、喉や鼻に炎症を起こす事で症状が一気に悪化します。 そんな状況を、リノール酸の過剰摂取は促進してしまう事につながるのです。

花粉症対策とリノール酸の抑制

たくさんある花粉症対策の中でも、リノール酸を抑制して過剰摂取を控える事は、特に有効な手段の一つと言われています。 では、どうやってリノール酸を抑制すれば良いのでしょう。

リノール酸は、体内で自然に作られるものではありません。 体外からの摂取によって補われる成分です。 リノール酸が体内で他の必須成分に変わる事もあり、またコレステロールの値を制御する事にも繋がる為、摂取自体は必要な事ですが、必要量以上を摂り過ぎると問題となってしまいます。

摂取量のコントロールを行うには、リノール酸がどのような食物に含まれているかを調べる事が有効となるでしょう。 リノール酸が含まれる食べ物をどれくらい摂れば良いか、またどれくらい控えるべきかという事がわかれば、リノール酸の過剰摂取を控える事ができ、その時点で十分な花粉症対策ができた事になります。

花粉症対策は、例えばハーブ、アロマテラピー、サプリメント、あるいは漢方薬など、お金のかかるものが結構あります。 しかし、リノール酸の抑制に関しては、お金がかかるどころか、お金の節約にも繋がります。 食生活を見直す事であらためて家計を整理できますし、食費を見直すきっかけにもなります。 また、それによって健康面の改善を行い、別のメタボ等の問題を解決する糸口にもなるでしょう。

リノール酸の抑制は、花粉症を軽減させる為のかなり有効な手段です。 その為にはどのような食品にリノール酸が含まれているかをしっかりと学習し、自分が今の食生活の中でどれだけそれらの食品を摂取しているかを知るところから始めると良いでしょう。

コラム

べに花油やひまわり油を抑制しよう

べに花油やひまわり油は、一般的にサラダ油よりも良質の油としてよくアナウンスされています。 その為、料理に力を入れている家庭では、よく使用されているのではないでしょうか。

べに花油はサフラワー油とも呼ばれ、サラッとしたクセのない油です。 その為、油臭さがなく、よくドレッシングに使用されています。 一方のひまわり油はサンフラワー油とも呼ばれており、植物のひまわりの種子から作られている事もあり、ミネラルやビタミンなどを含んでいる油です。 健康に良いと言われており、健康重視の家庭でよく使用されています。 味わいも上品でまろやかなので、揚げ物に使用するとかなり食べやすく、胸焼けを起こさない油としても有名です。

実際、この2種類の油は質が高く、こだわりを持つ主婦の間でも評判の良い油です。 ただ、注意しなくてはならないのが、この2つ、特にべに花油はリノール酸をかなり多く含んでいるという点です。 つまり、必要摂取量をしっかりと把握しておかないと、花粉症対策の妨げになるという事ですね。

リノール酸を多く含むべに花油で揚げ物をしたり、ドレッシングを作ったりした場合、一日の摂取量をしっかり決めておかないと、しつこくないだけに食べ過ぎてしまいかねません。 特にドレッシングに関しては、生野菜を食べるのは体にいいからと、大量にドレッシングを使って野菜を食べる人もいるようですが、それは逆に危険です。 花粉症対策の為には、まず使っている油のリノール酸の含有量をしっかりと整理しておきましょう。

サラダ油を抑えるには

現在、各家庭において使用している油は、ほとんどがサラダ油ではないでしょうか。 日清が開発し、その後一気に普及したサラダ油は、他の油と比較して安価な事もあり、瞬く間に日本の家庭の主役となりました。 砂糖、塩、醤油と並び、日本人の家の台所には必ずある材料といえるでしょう。

そんなサラダ油ですが、安価である要因のひとつに、リノール酸を含んでいる事が挙げられます。 リノール酸は安価に作れるので、その分この酸を含む油は安くなります。 よって、サラダ油とリノール酸は切っても切れない関係にあると言っていいでしょう。

サラダ油の過剰摂取は、今の日本においては既に社会問題と言っても良い状況です。 メタボリックシンドロームになってしまう人が増えたのも、サラダ油を大量に使用する食品が増え、過剰摂取をしてしまうようになったからです。 特に、ファーストフードに代表される若年層が好む食品の多くに使用されていたり、スーパーなどの惣菜コーナーや弁当などで食材の有効期限ギリギリでも美味しく調理できる揚げ物関連が非常に重宝されていたりと、サラダ油の過剰摂取が日常生活の中で浸透しきっている感があります。 これを自分の管理の下で防ぐ事が、花粉症対策に繋がります。

花粉症で悩んでいる人は、まず外食を控える事が花粉症対策の第一歩となるでしょう。 家で油を控えめにした食事をする事で、炎症の悪化等を抑える事ができます。 億劫と思わず、まずはやってみる事が大切なのです。

コーン油や大豆油にも注意

コーン油や大豆油に関しても、注意が必要です。 香ばしい匂いが食欲をそそるコーン油は、しばしば揚げ物に使用されます。 特に、弁当チェーン店などが、他の会社との差を打ち出す為に、よくコーン油を使用しているという宣伝をしています。 実際、コーン油で揚げたから揚げやてんぷらは美味しいので、家庭でも揚げ物の為に購入するケースがよく見られます。

一方、大豆油は大豆が原料という事で体に良さそうな印象がありますよね。 実際、クセが全くなく使いやすい油ですが、家庭用油の主流であるサラダ油はこの大豆、そして菜種を基本的な原料として作られている為、大豆油の特徴はそのままサラダ油と同じといっても過言ではありません。 尚、サラダ油にはコーン油もブレンドしていますので、それぞれに特徴が似ている部分はあります。

料理面でいうと、コーン油は酸化安定性が良いので過熱する料理に向いており、大豆油は加熱しない料理が望ましいと言われています。 サラダ油はこれらの混合なので、バランスが良いのが特徴です。

では、花粉症対策に焦点をあててみます。 花粉症対策という観点でいうと、どちらの油も過剰摂取は危険です。 コーン油も大豆油もリノール酸をかなりの割合で含んでいるからです。 大豆油は特に、健康志向の油なのではと思って使用する家庭があるようですが、リノール酸の量で言えばかなりの数字になってしまいます。 もし花粉症で悩んでいる場合は、量を抑える必要があります。

ごま油は控えめに

ごま油は、基本的には大量に使用する油ではありません。 風味豊かで、よく中華料理やてんぷらなどに使用されますが、基本的にはごく少量です。 ごま油だけでてんぷらを揚げるという家庭は、ほとんどないのではないでしょうか。 その為、大量摂取の心配は基本的にはない油と言えます。

ただ、最近ではごま油を使ったドレッシングなどが結構人気が高い為、ドレッシングとして大量摂取してしまう可能性はあります。 ドレッシングは生野菜をたくさん食べる為にと、健康志向の人に限って過剰に摂取しやすい傾向にあります。 ごま油をサラダ油等と比較した場合、リノール酸の占める割合はそこまで多くはありませんが、それでもかなり高い数値になります。 よって、大量摂取は禁物です。

花粉症対策を行う上では、ドレッシングはできればノンオイルの商品を購入する事をお勧めします。 一番良いのは何もつけず、あるいは少量の塩や酢でいただくという食べ方ですが、それだとさすがに味気ないですね。 ごま油も、大量に使用するのはご法度ですが、少量を使って風味をつけて、そこに塩と酢を加えるという方法であれば、十分に有効です。

花粉症対策だからといってごま油を完全にシャットアウトするのではなく、少量使用に留める方法を考えれば、リノール酸の過剰摂取を抑えつつ、美味しく生野菜を食べる事ができます。 重要なのは、油を使わないという事ではなく、いかに少ない量で美味しく作るかという事です。 上手く作れば、市販のドレッシングより食べやすく美味しい物をごま油で作る事ができるのです。

鶏肉の摂り過ぎに注意

鶏肉というと、日常の食生活には欠かせない食材ですね。 鶏肉を使用する料理は多く、特に唐揚げや親子丼、鍋料理などは、一般の家庭で週に一回は出てくるような人気メニューです。 男性には、から揚げや焼き鳥がビールのつまみとしてよく食べられていますね。 また、鶏肉は牛肉や豚肉よりカロリーが少ない事から、ダイエット中の女性も抵抗なく食べられるお肉でもあります。

しかし、この鶏肉も食べ過ぎは禁物です。 鶏肉には、コラーゲンやオレイン酸、あるいはビタミンAやB6などたくさんの体に良い栄養素が含まれていますが、その中にはリノール酸も含まれています。 適量の範囲内であれば、リノール酸は体に有益な酸となりますが、摂り過ぎるとマイナスに働いてしまうのです。 鶏肉はあっさりしているので、ついつい食べ過ぎてしまいがちな食材です。 気をつけるように心がける必要があるでしょう。

特に、サラダ油で作る唐揚げは、リノール酸の宝庫といえます。 老若男女を問わず、日本の料理の中も飛び抜けて人気の高いメニューですが、その一方でこういった落とし穴もある料理なので、過剰摂取には注意が必要です。

花粉症対策の一環として、鶏肉の摂取量の軽減という事が挙げられます。 ご自身の食生活を見直してみて、もし鶏肉を結構食べているな、という心当たりがある場合は、花粉症対策として少し抑える事を心がけてみましょう。 唐揚げなどは、頻度より一度に食べる量を抑えると効果的に摂取量を抑制できます。

黒豆は花粉症対策の敵か

基本的に、豆類は身体に良い食品として認識されており、実際多くの健康に良い成分が含まれています。 例えば、正月などによく出され、品の良い味という事もあり、大人も子供も大好きな黒豆に関しても、それがあてはまります。 黒豆はサポニンが含まれており、咳止め効果があります。 また、たんぱく質をはじめとした栄養分がとても豊富です。 解毒効果があり、腎臓にも良いとされています。 そして、高血圧の予防にも効果が期待できると言われています。 まさに、良い事づくしですね。

ですが、そんな黒豆でも過剰摂取するとマイナス面が出てきます。 消化しにくいので、胃腸を痛めやすいというのがひとつ。 そして何より、リノール酸を含んでいるので、過剰摂取はそのまま花粉症の症状悪化に繋がるという点が挙げられます。 高血圧予防に最適と言われているのは、このリノール酸を含んでいる事が大きな要因です。 ただし、リノール酸を含む食材全般に言える事がそのままあてはまり、摂り過ぎは花粉症対策の妨げとなってしまいます。

黒豆を食べる事自体は、花粉症対策の邪魔にはなりません。 ですが、花粉症の人が黒豆を食べ過ぎると、症状が悪化する恐れがあります。 普段はなかなか食べないという人も、お正月には結構食べますね。 特に、黒豆は食べやすい味なので、ついついもう一口…となりがちです。 甘く煮た黒豆はとても食べやすいので、特に子供が過剰摂取しやすい食材といえます。 あまり過度に食卓に出さないよう心がけてください。 ただ、他のリノール酸を含む食材と比較すると含有量はそれ程多くはないので、過剰に気にする必要はあまりないのが現状です。

リノール酸の含有率が多い食品のまとめ

花粉症対策の妨げになるリノール酸の過剰摂取を防ぐには、どの食材にどれくらいのリノール酸が含まれているかを知っておく事が大切です。 既に、リノール酸が多い食材についてはある程度述べてしてきましたが、ここではより正確な数字を学んでいきましょう。

リノール酸含有率が特に高い食材としては、まず油関連が挙げられます。 一番含有率が高い油は『べにばな油』で、実に72%がリノール酸です。 てんぷらやフライなどの揚げ物をした際、吸油率は食材の重さの5%?35%程度と言われており、大体10%程度で計算する事が多いようです。

例えば、てんぷらを200g相当食べた場合、油を20gほど体内に吸収したことになります。 そうなると、もしべにばな油でてんぷらを揚げた場合、リノール酸を約1,500mg摂取した事になります。 リノール酸の1日の必要摂取量は1,000mg前後なので、この時点でもうオーバーです。 べにばな油以外では『ひまわり油』が65%、『綿実油』が54%、『大豆油』が49%、『コーン油』が47%、『ごま油』が42%となっており、これらの油がいわゆる花粉症対策の敵、という事になります。

油以外では、『くるみ』が41%と高く、『ブラジルナッツ』、『松の実』、『いりごま』が25%前後となっています。 この他、『ピーナッツ』や『アーモンド』、『高野豆腐』などが10%を越えています。

これらの食材の割合から一日のリノール酸摂取量を割り出し、1,000mg未満に抑える事が花粉症対策の第一歩となるでしょう。

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